#174 親ガチャという言葉

 「親は選べず、親次第で人生が決まってしまう」そんな人生観を表す「親ガチャ」という言葉。これに対し中高年は「自分の努力不足を親のせいにするな」と意見を述べ、一方若年層は「わかっていない」と反論する。個人的に私は親ガチャという言葉は好きではなく前者の意見に便乗したい。だが、時代が違えば世代間ギャップがあって当然。この論争には終わりがないような気がした。しかし、この論争に終止符を打つような社会学者の土井隆義さんの意見に妙に納得してしまった。

 「格差は私たち作る社会制度によって解消されるべきもの。社会問題を個々の家庭の問題にすり替えてはいけない」。本来、格差を少なくし誰でも努力ができる環境にすることが社会の役目であり、決して家庭の問題ではないと否定したのである。家族間格差がなくなれば親ガチャという言葉も生まれてこないのは当然だろう。社会の現状の結果として親ガチャ社会になってしまっているのである。

 格差問題はなくなりはしないが少なくすることは出来る。そのためには若者の投票率を上げることが重要と彼は伝えた。衆議院が解散し投票が始まるが、親ガチャという言葉を使い自分の境遇を訴える若者ほど選挙に行くべきである。親ガチャという悲しい言葉がいつか死語になる事を祈る。