#200 小論文「自己実現に必要なもの」200回記念

 就活生には重要な夏のインターンシップ。私は建設業に興味があることから建設会社の5日間インターンシップに参加し、そこで多くのことを学んだ。建設業の知識や求められる人材、それから自分の長所と短所まで。自己実現のためにとどんな実習でも主体的に学んだ。取り組むうちにある疑問を抱く。「自己実現のために最も必要なものは向上心ではないか」。これからこの問いについて実習で体験したことを踏まえ論じていく。
 まず、インターンシップ二日目の話である。現場説明や測量・ドローン体験という内容。社員さんが説明を終えるたびに、より深く理解をしようと私は質問を社員さんに投げかけていた。そのことから積極的であると褒められ、個別で話を伺うことができた。内容はどんな人材が会社に求められるか、大学でやっておくべきことはなにか、など有用性があるものばかり。ほかの参加者より高い経験値を得たと自負している。主体的な取り組みが成長のきっかけを生むことに改めて気づかされた。
 では自己実現とは何か。福井県立大学経済学部の中沢教授はこう語る。『「自己実現」というのは、多くの人々との共通する価値観のなかでこそ成立する』※引用。まったく同感である。自分が作り上げたものが他者の評価を得ることができなければ自己満足で終わってしまい自己実現までとは言えないのは当然である。私が自己実現として掲げていることは、生活している環境下で自分の価値を見いだし社会的に認められることである。具体的にはどんな人からでも信用される人間になるということ。これも他人の評価を得ることで成り立つものだ。
 ここで振り返る、インターンシップ二日目は積極的であると認められ成長のきっかけをいただいた。言わば主体的であることにより他人からの評価を享受したのである。自己実現は他人の評価から成り立つことから、達成するためには主体的であり続けることが一つの方法として挙げられる。また私の場合、主体的な取り組みや姿勢は向上心からくるものである。だからこそ自己実現のために最も必要なものは向上心と言えるのである。
 

 個人的な体験を踏まえた自分にしか当てはまらない論証を終えたところで余談を書き留める。本文で出てきた「向上心」はおそらく将来の幸せを勝ち取るために湧き出てるものだと思う。具体的には自分の家族と健康的に暮らし、時には友人らと遊びに出かける、そんな想像するだけで心が温まるような当たり前の日常を送りたいということである。そんな幸せな日常には家族や友人が必須。追求すれば自己実現には家族や友人らが欠かせないのかもしれない。ただ、これは論証できるものではないのでここでは割愛させていただく。

引用文献:中沢考夫(2010)就活のまえに ちくまプリ新書