#45 大学受験のための勉強

 お馴染みの研究室である本を見つける。「もう一度読む山川政治経済学」というタイトルだ。高校生向けに作られた本で、現代の政治と経済を理解するのに最適の一冊らしい。

 最近新聞を読む中で、理解できない事が多々ある。如何に勉強をサボっていたのか思い知らされる日々だ。そんな中、この本を見つけ、改めて勉強しようと思うことができた。本との出会いに感謝である。

 はるか昔、各地で紛争が起こっていた。この紛争を治めるために政治ができたことはご存知だろう。王権神授説が信じられ、国家と人々の社会契約により、各地を統率し紛争がなくなっていった。リヴァイアサンの著者であるホッブズもこの王権神授説による専制政治を擁護していた。しかし、それを否定したのがロックやルソー。国家は、人々の生まれながらに持つ権利(自然権)を守るための政治をすべきとして、民主政治の必要性を主張した。こうして、国民主権という概念が生まれたのだ。そして、私たちの生きる現代の日本は、国民主権の国家である。先人の知恵と行動により、私たちの人権が保障され、安心安全な人生を送れていることを忘れてはいけない。

 このような現在と過去の結びつきこそが政治学の醍醐味だと思う。しかし、高校までの勉強は、大学受験のための勉強で、政治学を学ぶ本質が伝わっていない場合が多い。英語なんかもそうだ。英語の成績は良いが、英語を話すことができない。それは、大学受験のための英語はできてるが、本質的な英語の能力は備わっていないという事になる(そうでない人もいるが)。

 勉強は人生を豊かに送るために必要な道具である。より質の良い道具を集めなければならない。勉強の本質をしっかり捉えることがより良い人生を送る事になるという事を忘れてはいけない。まだ「もう一度読む山川政治経済学」を最後まで読めていない。しっかりと読んで勉強したい。