#189 大学生らしさ

 講義を終え、研究室に足を運ぶ。東北でセミナーを開催するゼミ担が事前準備を手伝ってくれとのこと。

 Facebookのゼミ連絡網を通じ発信した依頼を私は二つ返事で引き受けた。何かしらの学びが有ればとの魂胆。我ながら良い心構えである。

 お手伝いの内容は事務作業と荷物積み。事務作業ではもう1人お手伝いに来ていた同じゼミ生と選挙の話で盛り上がる。知識量豊富な彼から学ぶことは多い。荷物積みはゼミ担、友人、私の3人で駐車場と4階の研究室を行き来。駐車場近くの体育館から聞こえるバスケシューズと床の摩擦音、誰もいない学食スペースや学内。なんとも言えない大学生らしさを感じた。

 新型コロナウイルスの流行もあり大学生らしい事が出来ていなかった。オンライン授業では課題も多く一日中パソコンの前で作業。何のために大学に行ったんだろうと思ってしまう事もあった。しかし今回、ゼミ担のお手伝いを通じ大学生らしい事が久しぶりに出来た気がする。遅い時間まで作業、学ぶことがあったかどうかはわからない。しかし、こういった経験はおそらく記憶に残り続ける。