#211 教員 

 教師の仕事とは何か。この問いに多くの人が「生徒に勉強を教える事」と答えるだろう。国数理社英の5教科だけでなく体育・道徳などあらゆる側面からの学びを提供するのが教師の核となる部分だと思う。しかし、国際教員指導環境調査によると日本の教員が仕事をしている時間は小学校が週54・4時間、中学校は56・0時間で、いずれも調査国で最長。残業しても授業準備や教材研究に手が回らない状態に「定額働かせ放題」ともいわれる始末である。

 小学校や中学校の義務教育期間は人間の基礎となる部分を養う時間だと個人的に思う。その基礎が形成されるはずの授業の質が激務のせいで低下すると考えれば、日本の未来が危ぶまれる。最近教師の人材不足が話題の日本だが、負のサイクルが加速するのではないかと心配している。残業も多くその上残業代が出ないとなれば今後ますます人手不足といった事になるだろう。将来の子供たちへの投資と考えれば、教員らの手当を厚くすることを惜しむ必要はない。ただ現状、どの業界も厳しい状況。迅速な対応は厳しいのかなとも思ってしまう。