#40 原付と雨

 カッパを着ずに原付を走らせバイトに向かう。バイトに向かう前、雨の有無の確認のために、外の様子を確認していた。小雨という事がわかり、カッパの必要性を感じず、そのまま原付を走らせたのだった。

 原付を走らせてくうちに、カッパを着なかったことを後悔する気持ちが徐々に高まった。最初のうちは、原付に乗る私にミストのように当たる小雨が気持ち良く感じた。しかし、そのミストのような小雨も長時間受けていれば、当然びしょびしょになる。途中風が強くなったこともあり、バイト先に着くころには、まるでシャワーを浴びたかのように髪の毛が濡れていた。

 雨の日の通学や通勤の前にカッパを着る事は、少し労力がいる。小雨のようなカッパに必要性を感じない時は極力避けたい。しかし、備えあれば憂いなし。備えを怠った場合、いつか自分がツケを払わなければいけない。本日は、髪の毛が濡れるというツケを払った。準備の大切さを知った出勤だった。

 

 毎週月曜日は、家庭教師のバイトである。月曜日は2つのご家庭をはしごする形で、2人の生徒を指導させていただいている。

 最初のご家庭さんでのバイトが終わり、外の様子を見て、小雨である事を確認した。今度こそはと、カッパを着て次のご家庭さんの家に向かう。不思議なもので、小雨だった雨は止み、カッパは意味をなさなかった。なんとももどかしい気持ちになった。