#93 悲願の優勝

 ー小学生の頃を思い出す。

 ある友人と2人図書室に向かった。普段は外で遊ぶような2人、ましてや本なんて読んだことはなかった。この友人とは保育園から仲良しで、2人とも地元サッカー少年団に在籍していた。おそらく図書室で、サッカーに関する本を探したかったのだろう。そして友人がある本を見つける。『クリスティアーノ・ロナウド』という本。表題の彼は、一流のサッカー選手で、確かその時は名門マンチェスターUに在籍していた。彼がその本をとったの見て負けじと私もある本を取る。『リオネル・メッシ』という本。彼もまた一流のサッカー選手。誰もが知っているビッグネームだ。友人と私、お互い日の光が差す窓際で手に取った本を静かに読んだ。思えばメッシのファンになったのはこの本を読んだことがきっかけだろう。

 本日、リオネル・メッシ在籍のアルゼンチンが南米選手権で悲願の優勝を果たした。これまで数々のタイトルを取ってきた彼だが、国代表としてのタイトルがなく、今回初めての国際タイトルとなった。決勝後、ライバルのネイマールと抱擁を交わすシーンが印象的だった。

 リオネル・メッシの悲願の国際タイトル。幼き頃から応援してきた身として、こんなに嬉しいものはない。将来彼を越す選手が現れるだろうか、そう思わせてくれるほどの活躍。今後も目が離せない。