#94 台湾 2度目の成功

 強力な水際対策も虚しく、感染が広がってしまった台湾。ほぼ完全に抑え込んでいたがパイロットらが感染を拡大させ、一時は新規感染者1日当たり500人前後になった。どんな国でもコロナには勝てない、そう思わせられるような出来事だった。しかし事態は好転。ワクチン不足から接種率が先進国・地域で最低レベルにとどまるなか、日本とは対照的に、「感染防止」を最優先にした数々の取り組みが奏功したようだ。

 台湾ではワクチン接種が遅れ摂取率は1割強にとどまる。それでも感染を抑え込んでるのはスピード感のある予防策が効いたためだ。厳しい措置を取る一方、迅速な支援と感染状況の丁寧な説明がなされてたのも感染を抑え込む一つの要因だろう。国民との信頼関係は、コロナ禍に置いて必要不可欠なものと言わざるを得ない。

 一方、オリンピックを控える日本。コロナ禍における行政の対応は決してして褒めることのできないものだ。コロナに打ち勝った印として掲げていたオリンピックとは程遠いものになってしまった。国民との信頼関係も築けていないのが最大の原因だろう。「安心安全」という抽象的な説明でなく、具体的な説明が求められる。日本も台湾を見習うべきだと主張する事は簡単。しかし他に手立てがなく、そう思う他ない。