#217 中国の戦略

 気候変動への対策が喫緊の問題となる今日。問題解決の模範をどの国も目指す中、中国はEV(電気自動車)への転換を進める。背景には中国の国家戦略と自動車メーカーの激化する市場問題があった。

 中国の急激な販売率増加の一つの要因は、国の政策にある。1回の充電で走れる距離に応じて1台販売するごとに最大1・8万元(約32万円)を企業に支給、またユーザーに対しての購入税の免除は購入欲を掻き立てる。また、ナンバープレートの取得もEVの方がしやすかったりと所々優遇されている。

 なぜこんなにもEV転換の促進を促すのか。習近平氏は環境問題だけでなく、他国への依存を減らすことを見据えていた。EVに先駆ける事で国産化を進めたいとの思惑のよう。米中対立がもたらす問題は大きい。

 理由はどうであれ、気候変動の問題へアプローチすることは非常に重要なポイント。日本も実現可能な対策を考えなければ遅れをとってしまう。化石燃料依存度が高いというハンディキャップがあることも考慮した早めの対応を願う。