#167 温室効果ガス

 スウェーデン王立科学アカデミーは5日、今年のノーベル物理学賞を、米国プリンストン大上級研究員の真鍋淑郎さんら3人に贈ると発表した。真鍋さんとドイツのクラウス・ハッセルマンさんは、地球の気候をコンピューターで再現する方法を開発し、気候変動(温暖化)予測についての研究分野を世界に先駆けて切り開いた。イタリアのジョルジョ・パリーシさんは気候にみられるような複雑な現象の理論づくりに貢献した。

 地球は太陽の熱を受けて温められる一方、たまった熱は赤外線として宇宙に放出される。太陽から届く熱と地球からの放射のバランスを考えると、地上の温度はマイナス18度になる。人間が生活できるような温度に保っているのは温室効果ガスの恩恵を受けているからである。しかし一方その温室効果ガスの量が増えると温暖化の問題が生じてしまう。このような問題の先駆けとなり研究していたのが真鍋さんらである。

 今や当たり前のように各地で議論されている温暖化問題。全人類が気候変動への危機感を持って生活するためにもこのノーベル賞は大きな意味を持つと思う。日本も昨年、50年に実質ゼロの目標を掲げたが遂行してほしいと願う。