#245 謙虚な気持ち

 誰に対しても謙虚な気持ちを持ち接する人間はそうそういない。言葉遣いだったり、態度であったり年齢や見かけによって対応を変えてしまうのが人間の常である。私自身、一般的に若者という部類に属しているため、そういう態度を取られる事は百も承知で生きている。居酒屋のアルバイトでもそういう人と接する事は少なくはない。しかし、年明けはじめてのアルバイトでこんな若者にも優しい態度で接してくれる人と出会った。大人の方の謙虚な姿勢にはいつも感動させられる。

 40代前半くらいの男性だったか。彼がお酒を頼んだ時の出来事であった。オーダーして下さったお酒のほとんどを切らしていたの当店。「〇〇下さい」「今ちょうど切らしてまして、、」というラリーを何度も繰り返した。おまけに〇〇ならございますといったものも賞味期限切れで提供することが出来なかった。私自身も当店の品揃えの悪さに飽き飽きしてしまった程だ。しかし、彼は何の文句も言わず、「何度もごめんね」との神対応。器の大きさに感動させられた。

 どれだけ歳を取っても、誰に対しても謙虚である事を心掛けたい、とそう思わざるを得ないような出来事だった。こういった人間だけの世界ならば差別や誹謗中傷なども問題はなくなるだろうと想像してしまう。とにかく私も謙虚な気持ちというものを生涯忘れないでおこうと思う。