#33 『難民高校生』

 『難民高校生』という本に出会った。著者の仁藤夢乃さんは、一般社団法人colaboの代表を務めている。本の題名である難民高校生とは、家庭や学校、他のどこにも居場所がないと感じている高校生のことである。彼女もまた、「難民高校生」であった。

 彼女は、様々な経験を経て感じた「子供たちに伝えたいこと」をcolaboのトイレに貼った。その文書の一部を紹介する。

 

「嫌だ」と思う事があった時、

「自分が悪いから」「どうせ私なんて」

「自分が我慢すればいい」と思う必要はありません。

誰かに髪を引っ張ったり、殴られたり、ひどいことを言われたり、束縛されたり、したくないキスやセックスをしなければならなかったり、あなたの安心安全や、自由を奪われる事。

それは、当たり前ではありません。

、、、

あなたは"安心して、自信を持って、自由な気持ちでいる権利"を持っています。誰にもその権利を取り上げることはできません。

 

 世の中の人達の人権が保証されてない証拠であると思う。暴力を振われる人、性暴力を受ける人など、あるべき人権が損なわれている人間がたくさんいる。彼らもまた、それらが起きているのは当たり前だとか、自分が悪いだとか、精神的に追い込まれ、正常な判断ができない。大人も若者も男性も女性も対等な関係性であるはずなのに。

 

 経済が悪化していく日本の中、若者の台頭は必要不可欠である。大人たちは、「若者は若者の世界を生きている」と若者を見るのではなく、対等な関係を築き、将来日本を担う若者の可能性を信じるべき。

 「大人と若者のつなぐきっかけの場づくり」事業として、少女たちの自立支援を行なっているcolaboのような団体が増えて欲しい。