#88 土砂災害警戒区域

 色々な新聞やテレビなどで報道されている今回の熱海市伊豆山で発生した土石流。当日から4日後の本日でさえ朝日新聞の紙面1/3位はこの件についての記事だった。大規模災害と言っても過言ではないだろう。

 マスコミは土石流の前に避難指示を出していない行政を批判した。たしかに今回、熱海市からの避難指示は出ていない。マスコミが批判したくなる気持ちもわかる。しかし、当事者達は防災気象情報という言葉を頭に浮かぶ事ができただろうか。土砂災害警戒区域周辺に住んでいる身としては必ず押さえて欲しいものである。この防災気象情報は気象庁がだす災害に対する警戒情報である。警戒情報には階級がありレベル1からレベル5に分けられている。またレベル4想定以上の情報が発令されたら避難をしなければならないと定められている。そして気象庁は伊豆山で土石流が起きる前にこのレベル4相当の情報を発令していた。もし、自分で気象庁が発表する警戒レベルを理解し認識していたとしたら、避難に移ることはできたと思う。ましてや、この地域は土砂災害警戒区域と定められているため尚更敏感にならないといけなかったはずだ。マスコミは、行政を批判するべきではなく、災害レベルの認識の甘さについて批判するべきだったと思う。

 仮に、自分が土砂災害警戒区域周辺の住民であるなら、レベル4相当の情報が発令されたらすぐに避難行動に移るだろう。防災を教わる人間として、どんな選択をすれば良いか自分自身で考えようと思う。それをまた、周りに共有する事が今大学生として出来ることではないかと考える。亡くなった方々のご冥福をお祈りすると共に迅速な安否確認ができるよう心から願う。