#195 重鎮 中国へ

 岸田首相は成長戦略の第1の柱に「科学技術立国の実現」を掲げる。ただ「人材育成を促進し、世界最高水準の研究大学を形成する」という目標に対してどうアプローチを取っているのか疑問に思う。現にノーベル物理学賞を取った真鍋淑郎さんも日本を離れアメリカ国籍を取得している。日本の研究の実状にはどんな問題があるのか。

 以前ノーベル賞候補に名前が挙がった重鎮とも呼ばれる研究者2名は中国の上海へ移籍した。理由は定年後も働ける環境と高額な研究費の恩恵を受けている環境を求めてとのこと。2019年の中国の研究開発費は約53兆円。これに対し日本は約19億円である。優秀な人材が流出してしまうのも無理はない。「科学技術立国の実現」など程遠いのが現状だ。

 研究開発費が長年横ばいであり、環境も整っていない状況では悲しい事に中国のと差は開く。大きな政府を目指すのならこういったポイントを考えなければならない。岸田政権は今後どんな政策をするのか、見所はたくさんだ。