#70 やらなくて良い事をやる

 「主体性の類義語として、自主性が挙げられる。違いはわかる?」。彼の質問に、戸惑いながら深く意味を考えた。

 本日、キャリア開発論という講義に、鈴代グループの社員が訪れ、セミナーを開いてくださった。学生に主体性を求める企業が多い中、彼も主体性の大切さを主張した。それを踏まえて「じゃあそもそも主体性ってなに?」と、上記の質問を投げかけたのだ。

 類義語として挙げた二つには、大きな違いがあるそう。結論から言うと、目的やテーマを自分で考えて行動できたか、そうでないかの違いだ。学生を例として述べてくださった。「手を挙げて発表して」と先生から質問された場合を考える。質問に対し、手を挙げ聞かれたことだけを答える学生は、自主性に富んでいると言える。一方「手を挙げて発表して」と言われ、発表する事に慣れよう、伝える力を伸ばそう、注目された時にテンパらないようになろうなどと、自分でその行為に目的やテーマを決める事ができる学生が、主体性に富んでると言える。要するに、自分で考えて行動できる人間が主体性があると言えるのだろう。

 言われていることを率先してやる事ができる自主性も社会人には必要だ。しかし、もっと優れた人物になるためには、やはり言われなくても率先して行動する主体性が必要だと思う。指示待ち人間になってはいけない。考えて行動できる人間が、まともな大人として認識されるはずだ。