#84 交通事故

 6月28日の午後、千葉県八街(やちまた)市で、トラックが下校中の小学生5人の列に突っ込み児童2人が死亡した事故。加害者の呼気からは基準値以上のアルコールが検出された。この事故を知った時、私は強い怒りを感じた。これから沢山の経験をし、豊かな人生を送るはずだった児童をルールを守らない大人が死亡させてしまったのだから当然のことだ。しかし、車を運転するだれもが加害者になりうる。私も誰かの人生を妨げる可能性も十分あり得るのだ。この件をきっかけに車を運転する事について見つめ直さなければならない。

 PTSD心理的外傷後ストレス障害)とは、死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態である。交通事故においてPTSDの症状が現れる可能性は、加害者側の方が圧倒的に高いそう(警察庁科学警察研究所2002年調査)。罪悪感に苛まれ、のちの人生をまともに送れない人もいる。当然の事だが、加害者も苦しい思いをするのだ。そもそも、交通事故を起こそうと思って起こす人はいない。ルールを守っていてもどうしても起きてしまうものだ。そして、事故を起こしてしまった加害者はのちにPTSDなどに苦しめられる事になる。加害者もある意味被害者なのかもしれない。

 自分自身の人生を交通事故によって台無しにはしたくはない。交通事故は起こした方も起こされた方も苦しい思いをする事になる。加害者に対してのPTSD被害の可能性を挙げたが、苦しめられる要素は他にも沢山ある。そのような事を想像すると、改めて、最善の注意を払って車を運転しなければならないとて思う。