#208 放出 効果は?

 米バイデン政権が石油の放出を発表したことを受け、日本政府は国家備蓄を初めて放出する。中国やインドなども放出するとみられるなど、異例の対応となっている。価格を下げるためのものだが実際に各国が協調放出しても原油価格が下がるとは限らない。また、一時的に下がっても持続した効果が期待できないとの声もあり、政府には十分な説明が求められる。

 石油備蓄法では備蓄の放出は供給途絶の恐れや災害時に限定している。今回はそのいずれにも当たらない局面だが米国からの強い要望も相まって異例の法律の解釈までして対応にあたる。余剰に蓄えている分ならば放出しようという苦肉の策には、外交関係を大事にしたいという背景が見える。

 聞く力を売りとして政権を勝ち取った岸田氏。他の人の意見を聞きすぎるのも考えものである。あくまで国民のためにという信念を持ちその上で聞く力を存分に発揮して欲しい。現場の声を聞かずして政策は語るべきではない。