#214 札幌 誘致

 確たる根拠と計画力がなければチャレンジ精神とは報われないもの。大きなプロジェクトほどリスクがあることを考えなければならない。それが国民の生活に関わるなら尚更。30年冬季五輪・パラリンピックの招致に向けて、札幌市が大会概要案を公表した。既存施設の活用や式典の簡素化などによって開催経費を最大900億円減らし、2800億~3千億円にすることが柱となっている。

 「いままで使われているもの、将来も使うための施設に限定して、既存施設を使っていくことで経費を抑えている。」と秋元札幌市長の主張。夢や理想は語れるがそこに信憑性はあるのか。予算は少しずつ膨らみ終わった頃には最初の見積もりと大きな違いがあったといった想像さえしてしまう。

 2020東京五輪での延期や開催に基づく議論での責任は有耶無耶にされた。それだけでなく北京五輪のテニス選手失踪事件にIOCが関わっていることを謳うようニュースをちらほら見る。正直、日本国民のIOCに対するイメージは良くない。東京五輪から何を学びどう活かすのか。行政にはこんな問いを投げかけたいところ。