#240 時代ゆえ

 人件費削減はコロナ禍において企業が自らを存続させるための企業努力ともとれる。昨年、希望退職を募った上場企業は80社以上と高水準。前年から高止まりしている状況に働き手は危機感を抱かざるを得ない。上場企業に入れたから安泰という時代ではなく、企業内で淘汰されないような人材にならなくてはならない。

 コロナが始まってから解雇や雇いやめは派遣や非正規雇用過半数を超えていたが、コロナ禍が長引いた事もあり正社員にベクトルが向けられている。こういう時代故仕方がないというのは簡単だがリーマンショック以来の出来事ともなると事の大きさが読み取れる。

 オミクロン株が拡大する事でさらに不安が募る。3年連続80社以上という事にならないことを祈ろう。また、排除されない側にならない為に個人の能力を磨くというのが1番だが、万が一のために希望退職は強制ではないことを把握しておかなければならない。しつこく応募や転籍への同意を迫る事は違法である。弁護士に相談という事も考えておくべき。賢い市民として生きる為にはリスク回避の選択肢を多く持つことが必要不可欠である。