#231 市中感染

 「オミクロン株 初の市中感染」。新聞の見出しが目に飛び込むと同時に危機感を抱く。比較的低い水準で新規感染者を抑えられていた日本でもとうとう拡大の一歩を踏み出してしまった。海外への来航歴のない大阪府内の3人が新型コロナウイルスのオミクロン株に感染したことを厚労省が発表した。今後の展開に不安が募る。

 米国では、18日までに新規感染者の7割がオミクロン株になったとみられている。直近の新規感染者は1日約15万人。デルタ株より早く広がっている感染状況にはオミクロン株特有の免疫逃避が背景にある。一度感染した人の免疫でも対応しづらいと思うと悩みの種が尽きない。市中感染を確認した日本でも早急に医療の体制を整えなくてはならない。

 第5波の教訓を活かしどれだけ対応できるか、政府にはそんな期待がかかる。今まで感染を抑えられていた分、コロナとの共生という観点での後戻りはできない。Go toトラベルの議論も然り、新規感染者増加を防ぐため、そして医療逼迫を回避するために政府には結果にこだわってほしい。