#8 福島原発 訂正

午後18時半、大学が終わり駅まで歩いていると、携帯電話に着信が入る。家庭教師で指導させてもらっている生徒のご家庭さんからだった。用件は、本日20時からの授業の欠席の申し出だった。部活が忙しいみたいだ。

時間が出来たなと思いつつ、出来る事は無いかと考えた。「そういえば、毎週木曜日は、新聞を読む会があったような、、、」

『新聞を読む会』とは、ゼミ担当教員発端の新聞に書かれた色々な問題について深掘りしよう、というzoom上での活動である。この活動は、ゼミ担の先生が人を集めるので当然膨大な知識をもった大人の方々が多く集まる。先生は、学生によく参加を促すが、多くの学生が話についていくのでやっとだ。正直僕もその1人であった。しかし、福島原発の処理水放出問題を読み込んだので参加してみようと考えた。

20時にパソコンを開く。最初参加していた人数は5人。学生は自分1人だった。「やらかした」。そんな言葉が浮かんだ。『新聞を読む会』の始まりは、議論の火種となる記事の説明。学生1人で目立ったからか、その役をやる羽目になる。昨日ブログに書いたようなことを言った。すると、この問題に詳しい方が間違いを指摘してくださった。「トリチウムは安全性は保証されてはいない。安全性の有無はわからない。」昨日ブログで語った事を恥かしく思った。その後具体的な対策を教えてくれた。「トリチウム半減期は12年。36年後になれば1/8の量になる。その間は東電の敷地に保管して、その後放出するのが良い。」これまたすごい。問題を指摘してくれるだけでなく、対策まで語ってくださった。大人の凄さに気づいた。

時間が経つにつれ、人が増えていって、ざっと15人。先生がある人に意見を求めた。いかにも仕事ができそうな人だった。その人は15分くらい1人で話していたが、処理水放出問題から、政治問題、選挙問題と流れるように触れていった。貫禄と説得力がありすぎてとにかくカッコ良かった。聞くところによると7000人の従業員のいる大企業に勤めていた。最後1人の1言ずつコメントして終わるのだが、自分の話の最後に、その方に対し「死ぬほどカッコ良かったです。」と言うと手を叩いて笑ってくれた。こんな人になりたい。素敵な出会いでした。

僕の指導している生徒は、多分、僕に幸せをもたらしてくれるキューピットだ。