#143 被害者の思い

 何か目標があるから頑張れる。何か楽しいものが待ってるから楽しめる。人の原動力はいつもその何かで生まれる。この何かをうまく作れることが出来たなら価値のある人間になれるのかなとまで思うほどである。だからこそこの何かをうまく作れない人や既存の何かを失った人は生きる事に前向きでいられないのではないかと思っていた。しかし、昨日のトピックである池袋暴走の判決決定での遺族・松永さんのお話に改めて考えさせられた。止まない雨の存在を強く否定するような様子は心強いものだった。

 判決後の松永さんはこう語った。「この判決で命が戻ってきたらどれだけいいかとむなしくなるが、前を向いて生きていく力になる。苦しかったが裁判に参加してよかった」。裁判に参加することは決して簡単ではなく苦しい思いもあったと思う。それでも、この裁判を行うことで今後同じような事件の被害者を増やしたくないと戦っていた。信念のある彼の行動と勇気は色々な人の心を動かしたのではないだろうか。

 過失を認めない飯塚氏の言い分はまだ納得できるものではないが実刑判決という形で終止符が打たれた。悲しい出来事に苦しみながら戦い続ける松永さんに一生懸命向き合うことの大切さを教わった気がする。目標など原動力が生む何かがなかった場合でもとにかく一生懸命になる事が大事だ。